-飛天の道・シルクロード-吉永邦治展



今年の夏は、ことのほか厚いと感じることの頃ですが、皆様、いかがお過ごしでしょうか。

大阪の天王寺近くに「たなべのお不動さん」の名で親しまれ、また、「慈雲尊者、得度の寺」としてしられる大本山法楽寺があります。このたび縁あって、法楽寺境内にあるリーヴスギャラリー小坂奇石記念館において、「飛天の道・シルクロード」をテーマにした「吉永邦治 展」が催される運びとなりました。
(九月十六日~二十五日)

リーヴスホールは、手に手をあわせ合掌のかたちをした天上の高いホールで、ギャラリーは、慈雲尊者の書や、近大書史の巨峰・小坂奇石先生の作品が定期的に展示されます。このような独特の雰囲気をもった空間の中に、飛天や釈迦十大弟子、シルクロード関連の作品を展示しようと考えています。
秋のお彼岸あたり、天王寺近くにおでかけの機会でもございましたら、お立ち寄りいただき、ご高覧賜りますればと、ここにご案内申し上げます。 合掌

二〇〇四年 盛夏

吉永邦治

 

-飛天の道・シルクロード-
吉永邦治展
Kuniharu Yoshinaga Exhibition

2004年9月16日[木]~25日[日]

リーヴスギャラリー小坂奇石記念館
〒546-0035大阪市東住吉区山坂1-18-30 法楽寺境内
06-6626-2805(TEL)/06-6623-2103(FAX)
KISEKI KOSAKA MEMORIAL OF ARTS, IN HOURAKUJI TEMPLE
■開館時間:午前10時~午後4時30分
■期間中:無休 ■入館料:無料

飛天の道・シルクロード吉永邦治展 個展案内画像

「飛天の研究」は東洋人の心の底に上がれる完成の研究でもあろうと語る吉永邦治氏は、35年にわたってシルクロードをはじめとする東洋各地の遺跡や石窟寺院を行脚され、飛天を追求し、描き続ける画家として注目されています。
また、飛天と共に、東洋の旅の中で悠久の大地、風物、人物などの作品を数多く発表されてきました。
本展では「飛天の道・シルクロード」をテーマに、東洋人の心と、生命感あふれる作品の数々を紹介します。
なつかしいアジアの風を感じてていただければ幸いです。

Kuniharu Yoshinaga クニハル・ヨシナガ

1944年、鹿児島県川内市生まれ
桑沢デザイン研究所で学び、ドイツ遊学。その後、高野山大学に入学し、山本智教博士に、東洋美術、仏教美術などを学ぶ。高野山大学文学部仏教学科卒業。絵画は山口長男氏に師事し、東洋各地の風土や人物を描き続ける。
一方、「気まぐれ美術館」(新潮社)の著者である洲之内徹氏と出会い、彼の主催する現代画廊にて、インド・シルクロード・中国、日本各地を描いた作品の個展を開き、その度に多大なる影響を受けた。過去には図画会などに出品したが、現在は国内外各地での個展に重点をおいて発表し続けている。
2000年には鹿児島市立美術館より依頼を受け、20世紀回顧「鹿児島と洋画展」に出品した。2002年7月26日~9月1日の約1ケ月間、建築家・安藤忠雄氏設計の岡山県成羽町立美術館で“シルクロードの心を描く 吉永邦治展”同年10月1日=11月1日には大谷女子大学博物館において「吉永邦治・仏の世界」が催された。また、2004年5月奄美パーク・田中一村記念美術館で“シルクロードと飛天の世界 吉永邦治展”が催された。
大学時代より飛天を求め、インドをはじめシルクロード各地、チベット、中国、東南アジアを旅し数えきれない程の飛天を描くとともに、研究を深め、多数の著者本が出版されている。また、シルクロードの旅や飛天についての公演が各地で催される機会も多く、平成14年1月1日には、日本経済新聞の文化欄に、“初春、飛天へ”というタイトルで掲載された。桑沢地域賞など受賞。現在、大谷女子短期大学教授。

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