私の出会った方の…

私の出会った方の…

小 川 道 子

人並みに還暦を迎えてみると来し方が懐かしく多くさんの方々との出会いが思い返される。
福山城の近くに在る知人の画廊で個展を拝見し早いもので十六、七年が過ぎようとしている。何事によらず疎遠になることの多い日常で吉永様の個展の案内など頂戴すると、唯々感激である。
個展での印象は、画材の豊富な時、何で鍋の蓋に絵なの……と言う思いがしたが、その板絵に興味を唆られてしまった。
長女の結婚の祝い、長男の仕事の独立記念にも吉永先生の絵を贈った。
何故なら私の出会った方の中で一番パワフルな御方であるからだ。又先生の人に対する根本理念が私の最も尊敬できるものだからである。日頃人のお世話をすると言う仕事について些細なことに一喜一憂している。そんな自分に気付く時先生の作品から多くさんの事柄を学ぶことができる。
眼差しに母親を感じさせてくれる「草原の女性」「ホータンの女」の絵が私は好きだ。
今、私の日常は「自転車」の絵とともにある。
還暦も過ぎた今も常に耳もとに風を感じながら走り続けていたいと思うから
平成十年七月二十三日

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