エジプト旅行にご一緒して…
飛 嶋 瑞 枝
一昨年の十二月、エジプト旅行で初めて先生にお会いしました。ピラミッドで満月を迎えられる様に考えられてツ アーを選択されたそうです。先生は又、何度も一人旅をされ、行動範囲の広さにびっくりしました。ギザでのエピソードをお話します。私は朝日や夕日の景色を 兄ることがとても好きです。海外旅行では言葉が話せない、怖いという事でいつもお友達に無理をいってついてきてもらっています。今回は息子といっしょだっ たのでお友達もあてにできずにいました。前日ホテル到着もずいぶん遅くなり、添乗員やガイドとも、この時期は朝モヤがかかってピラミッドが兄えないかもし れないといっていたのに早起きしてビックリ、ピラミッドがクッキリ兄えています。身仕度をしてロビーに行ってみても日本人はいなく、何回かロビーと部屋を 往復、前日、吉永先生も兄に行きたいといってたけれど起こしてよいものかどうか考えながら、日の出に間に合わないので一人でタクシーで行こうと一大決心を して出て行き、もう一度ホテルの方を振り返ると先生が慌てて出て来られました。今までの心細さがふっとんでご一緒させていただきたいとお願いして、朝日が 昇るまであまり時間がないのではと心配しながらついていきました。
ヒラミッドには近付けないようにバリケードがしてあって、門番(?)がこちらにとつれて行って馬に乗って行けというのです。馬に乗ったことなく怖くてたま りませんが歩くよりは見晴らしの良い所に早く行けると思いました。初めに幾らか尋ねた方がよいと先生か交渉したのですがなかなか答えてくれず、少し行って から百~三百ドルといって高く値をつけられ、高いからといって先生が降りようと何回か言うと値を下げてきて二十~五十ドル。交渉成立。でも先生は慌てて起 きてきたのでお金を持って来てなかったのです。地元の家々を馬上から眺め、スフィンクスの横を通って砂丘を登り、朝日に映えるピラミッド、遠くカイロの 町、最高の景色を見ることができました。
旅行から帰って先生から年賀をいただきました。先生の絵の入った賀状、それを見て主人も私も本物の絵を見たいと思いました。それからすぐに大阪駅での個展 がありましたので見に行くことができました。シルクロードの澄んだ空の下での人々の表情が何とも言えず、人懐っこく語りかけてくる絵、素敵な色遣い。