2012年5月20日(日) 神戸新聞

20120年5月20日神戸新聞
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素描展で力強く「絹の道」表現

明石市の画家 吉永さんが個展 加古川

明石市在住の画家吉永邦治さん(67)による風景画の素描(デッサン)展が、20日から加古川市平岡町新在家のギャラリー吉田で始まる。長年描き続けているシルクロードの情景や、空を舞う飛天の姿など15点が並ぶ。

吉永さんは鹿児島県生まれ。20代の頃、ドイツでの遊学を経て、高野山大学に入り東洋美術や仏教・密教芸術を学んだ。その中で、仏画などに登場する飛天に魅力を感じ、研究者として活動。一方、画家としてシルクロードをたどる旅をする中で捜索に励んできた。

今回は、同ギャラリーの開廊5周年を記念して開催。吉永さんが描くことの多い色彩豊かな油絵は展示せず、「砂塵舞う現場の空気感を伝えたい」とデッサンを集めた。

イランの古都イスファハンのモスクやモンゴルの草原といった風景画の中で、圧巻なのが縦1.4メートル、横3.6メートルの「チャイハナ・茶店」。1970年代にアフガニスタンを旅した吉永さんが、カンダハールで見た光景だ。男たちのひしめく様子を黒いコンテや色鉛筆で力強く描いている。
吉永さんは「緻密さよりも、線と線の間に引き込まれる感覚が、素行の醍醐味」と話す。
26日まで。 午前10時~午後6時。 電話079・425・7218

(三浦拓也)

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